柚葉通言

考えにくいことを考えるブログ

悲しきワナビ

某文藝評論家の書いたものの中に「LGBTという概念について私は詳細を知らないし、馬鹿らしくて詳細など知るつもりもないが、性の平等化を盾にとったポストマルクス主義の変種に違いあるまい」と云う一節がある。これはおそらく、氏が敬愛する批評家・江…

ピンクの塊

燃える瞳に魔法をかければ キスしたくなる瞳 つくれる可愛いに肩まで浸かって 君は、 引力のない街を歩く 「ガラスの靴を拾ってきます」 韻律を跨ぎ、橋をゆく。 黒のドレス 覗かせる白い背中に 誰かがつけた紅葉が浮かんだ 不様なメトロポリスにひとり。 火…

死んだら負けか

自殺はリスキーである。単にそれは、自殺に失敗してひどい後遺症に悩まされると云った結果を想定してのことではなく、死んだ後のことを指して俺はリスキーだと言っているのである。 当然ながら、死んだ人の証言などこの世にはひとつも存在しない。だから、死…

「やれやれ、僕は○○した。」について

風の歌を聴け (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2004/09/15 メディア: 文庫 購入: 43人 クリック: 461回 この商品を含むブログ (466件) を見る 何かとネタにされる村上春樹であるが、とりわけ多く出回っているコピペは、「やれ…

小説家になろう作家になりました

昨夜、いつものように眠れない夜を過ごしていましたら、天啓のごとく、あることが思いつきました。 なろう作家になろう。 朝目覚めると、アイディアはまったく0でしたが、0のまま、スマホに向かいました。で、出来たのが下にURLを張った作品です。連載です。…

疑問に思わないでほしい

家人は個別塾で中学生と高校生に英語を教えているのだけれど、英語が苦手な生徒は往々にして意味不明な間違いや思い込みをしていると云う。たとえば、「it's」の主語が判らないと云うことがある。つまり、「it's」が主語だと思っており、これが「it is」の短…

バズりへの道

先ずはこれを見て欲しい。 「ナチスにイイところなんてない」と脊髄反射で見る人、「ナチスのようにヤバい奴も表面的にはそれなりの実利を引っさげて現れるわけで、だからこそ力を持ったり支持を集めてしまって恐ろしいのだ」という視点が決定的に欠けてるし…

浅学非才のブルース

ここ三週間くらい、死ぬような目覚めである。理由は百個くらいある。今日はその中から、浅学非才について書く。 とは言え、今さらそのことを嘆いているわけではない。人間誰しも、生まれたときに与えられたカードで人生を勝負していかねばならないのだから、…

春づくし

夜の底に墜ちて 死に損なったあなたは その朝、 手櫛で髪をとかして 鏡の自分から言葉を奪うだろう 旅立ちの季節 一人、 重力に抗えもせず うつせもなく 人恋しさに波打つ瞳よ 散る花びらに頬が色づいても 変わってくれるな。 歳をひとつ重ねても 春にとりの…

形容詞について

スキマノハナタバ ?Love Song Selection? アーティスト: スキマスイッチ 出版社/メーカー: UNIVERSAL MUSIC LLC 発売日: 2018/09/18 メディア: MP3 ダウンロード この商品を含むブログを見る Twitterでも書いたが、スキマスイッチ『未来花』の話。歌詞中にあ…

大江健三郎作品の女達④

晩年様式集 (講談社文庫) 作者: 大江健三郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/11/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 晩年様式集 柚葉「『晩年様式集』ですか。これがなぁ、難しいんだよなぁ、はっきり言ってなぁ……」夏川「(笑)」柚葉「やっ…

大江健三郎作品の女達③

静かな生活 (講談社文芸文庫) 作者: 大江健三郎,伊丹十三 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1995/09/04 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 30回 この商品を含むブログ (24件) を見る 静かな生活柚葉「これはかなり奇妙な小説ですぞ(笑)」夏川「うーん」…

大江健三郎作品の女達②

死者の奢り・飼育 (新潮文庫) 作者: 大江健三郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1959/09/29 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 227回 この商品を含むブログ (109件) を見る 他人の足柚葉「これなどまさにさきほどぼくが引用した開高健の批評通りのパター…

大江健三郎作品の女達①

見るまえに跳べ (新潮文庫) 作者: 大江健三郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1974/05/28 メディア: 文庫 クリック: 32回 この商品を含むブログ (45件) を見る 奇妙な仕事柚葉「いきなり私事から入って恐縮ではありますが、実は、尿検査にひっかかりまして…

厭きると云うこと

いつだったか、我ながらこれは世紀の大発見だと思ったことがあり、それと言うのも、長時間カラオケで歌っていると厭きてくると云う現象についてである。要するにあれは、長いこと自分で自分の歌声を聞き、それがために自分の声に厭きてしまうのである。だか…

書くのが厭な会

最近俺は、「書くのが厭な会」と云うのを作ろうと考えている。その名の通り、文章を書くのが厭な小説家の交流を目的とした会である。別に小説家でなくても好くて、評論、論文、抗議文、ブログの記事、拡散用ツイート、スレタイ、ブラック企業の標語、シルバ…

小林アヲイ『Key To The Highway』について

グリーンボーイ・アッパータイム 作者: 小林アヲイ 出版社/メーカー: さくらノベルス 発売日: 2018/09/04 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る だれの作曲で、だれがそれに詞をつけたのかは知らない。じっさい、明らかになっていないのだ。ブルー…

小林アヲイ『電話』について

グリーンボーイ・アッパータイム 作者: 小林アヲイ 出版社/メーカー: さくらノベルス 発売日: 2018/09/04 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 小林アヲイさんは天才である。こんなこと俺が言うまでもないが、俺が言わないと誰も言わないので、仕…

批評の神様

モオツァルト・無常という事 (新潮文庫) 作者: 小林秀雄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1961/05/17 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 54回 この商品を含むブログ (100件) を見る 誕生日が同じだと云うことで、その名前には並々ならぬ愛着を持っている…

文体について

大学のアルバイト業務の一貫で他人の小説の添削を行っていると云うことは以前にも一度書いた。そのときは助詞の正確性について書いたが、今回は文体について書く。 基本的に、文体とは顕れるものである。語彙は後天的なものなので、それは無視するとして、文…

『物語の秩序』後夜祭

隙間社さんが自身のTwitterで新作の告知を始め、それが伊藤なむあひさんの長編小説『東京死体ランド』だということが判明した瞬間、俺は、ハハァ、要するにこれは物語批判の小説なんだな、と即座に思いあたった。そして直ぐに、バカな、小説が何かの批判にな…

物語の秩序

東京死体ランド (隙間社電書) 作者: 伊藤なむあひ 出版社/メーカー: 隙間社 発売日: 2018/09/03 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 物語はテーマパークに似ている。入口があって出口がある。すべては「内」側だけで繰広げられるものであり、た…

ダンボールの宮殿

47’45” アーティスト: キリンジ,岡田治郎,藤田乙比古,高野哲夫,庄司知史,山根公男,佐藤路世,小林聡,堀込高樹 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン 発売日: 1999/07/28 メディア: CD 購入: 1人 クリック: 38回 この商品を含むブログ (93件) を見る…

エコ人間とギャンブラー

書くことがないと言えば、ない。それは、今の俺のありったけを絶賛執筆中の論文にぶつけているからである。と云うか、俺が一日で書ける量の限界が三枚であり、論文二枚、小説一枚で、丁度キャパが埋まるからである。だけれど、今日は一日ぐったりしていて、A…

対話とは

クローズドウィンドウ: その他の短編 作者: 菊池 公 出版社/メーカー: 菊池公文庫 発売日: 2018/03/22 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る なんのために書くのか。これについて太宰治は「乗り掛かった船」と云うような言い方をしていて、はっき…

とにかくゆっくり書く

論文と小説を書くだけの暮らしをしているので、何か別のことを書けと言われても困る。しかるに今日は、昨日に引続き添削について書く。 むろん、これを推敲と云う言葉で言い換えることは出来ない。なんとなれば、俺は推敲と云うことを全くしないからである。…

リライト

誰かの視線 作者: 吉田柚葉 発売日: 2018/05/03 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 書き直す、と云うほどのことではないが、新作長編の出版に向けて既刊の添削を行った。具体的には『誰かの視線』と『病まない病』である。前者は、去年に書かれ…

文章読本其の弐

書かれた小説よりも小説家本人の方が面白いと云うことがある。俺も、何人かそんな人を知っている。皆一様にバカなのであるが、そのバカさを以てその作品の魅力に貢献している風でもあり、それを「才能」と言っても好いのだけれど、そうすると、その人たちの…

文章読本

文章を書くに際しての心構えについて思うことを書く。 先に断っておくが、「こう書けば間違いない」と云う文章法など存在しない。「こう書いてはならない」と云う禁さえここには入り込む余地がない。従って、今まさに原稿用紙に向かって握りつけたところのそ…

『「国家」と云う「宗教」』発売記念インタビュー

柚葉通言? 「国家」と云う「宗教」 作者: 吉田柚葉 発売日: 2018/07/12 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る Q 発売から一週間経ちましたが反響はいかがですか。 A いかがも何も、殆ど売れていない。今後爆発的に売れないとも限らないが、ボチ…