柚葉通言

考えにくいことを考えるブログ

評論

『トイ・ストーリー4』と令和

https://www.eiga-8.com/review/toy-story-4/ 見る前に上の記事を読んでしまった所為で、同じく『トイ・ストーリー』と同い年である自分が「4」を受け入れられるものか……、めちゃめちゃ心配になり、ことに、七月十五日に見に行くと決めてからの二日間は、全…

ヒットエンドランテクストレビュー#3

三回目。りう『ハッピーハッピーバースデー』(https://kakuyomu.jp/works/1177354054888291494)。お誕生日ドッキリネタである。主人公がアルバイト終わりに妹の誕生日プレゼントを選び、その会計をしているとき、ふと携帯を確認すると五件の不在着信が入って…

ヒットエンドランテクストレビュー#2

なろう小説レビュー二作目。今回は目差矢夕さんの『となりれんあい』である。「面白くなかったら『面白くない!』って切り捨てても構いません!」と云うリプライに目を引かれ、読んでみることにした。しかしながら、構わないも何も、読書って本来そういうも…

これやってます。

#RTした人の小説を読みに行く誕生日だしね。すげえ読んでほしい人がいれば読みます。ただし読んだからにはブログのネタにします— 柚葉(ゆうよう)@読む男 (@yuzuhayoshida) 2019年4月11日 あのね、フォロワーの方とかね、「ぜひ」という人はリツイートしてみ…

小島信夫について

美濃 (講談社文芸文庫) 作者: 小島信夫 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2009/11/10 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 45回 この商品を含むブログ (14件) を見る 眠る、寝る、と云うことばかり書いているうちに、眠らなくてはならないと云う強迫観念の裡…

伊藤なむあひ「白雪姫前夜」を脱構築する――不規則数字と「十」の誘惑――

少女幻想譚 (隙間社電書) 作者: 伊藤なむあひ 出版社/メーカー: 隙間社 発売日: 2015/07/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る まずは、この短編が全「十三」章から成ることを確認しよう。「1、」と題された章と「3、」と題された章など…

「語学」を「学ぶ」と云うこと

何をどうしたってそれを「理解」することなど出来やしないのだと云う明白な「事実」につき当たる予感に苛まれながら、曲がった先にその「事実」が待ち構えているのではないかとの「恐れ」から目の前にある曲がり角を「見なかったこと」にし、今いる場所で足…

「国語」改革で文学は滅ぶか

こころ (新潮文庫) 作者: 夏目漱石 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2004/03 メディア: 文庫 購入: 18人 クリック: 370回 この商品を含むブログ (438件) を見る 二〇二一年、センター試験が廃止され「大学入学共通テスト」が導入される。それに伴い、高校国…

民主主義の判らなさ

COM-SHOT 【 小型 壁掛け 】 投票 ボックス アンケート 回収 箱 お客様の声 販促 本音 MI-H-088 出版社/メーカー: COM-SHOT メディア: エレクトロニクス この商品を含むブログを見る はっきり言って、民主主義の価値が判らない。最近になって親友の住友シゲ…

吉田柚葉論

いつだったか、ブログに書くネタに困り、自分について論じる記事を起こしたことがあった。それは企業秘密をふんだんに盛り込んだものであり、ガチの吉田柚葉論であった。流石に公開には踏み切れず、データをクリアにしてしまった。下書に残しておかなかった…

選考委員を選ぶと云うこと

上沼恵美子の一件の後、小林アヲイさんのブログ(http://awoii.hateblo.jp/entry/2018/12/11/191117)を読み、選考と云うことを考えた。 誰かが何かの賞を受ける背景には、必ず選考委員の存在がある。君が絵画コンテストで入賞したとすれば、それはすべて選考…

忌川タツヤ氏に畏怖した話

絶対すくみず黙示録 作者: 忌川タツヤ 出版社/メーカー: 焚書刊行会 発売日: 2012/11/07 メディア: Kindle版 クリック: 5回 この商品を含むブログ (1件) を見る キンドルアンリミテッドの30日間無料体験を始めたので、かねてから「一回ちゃんと読まねば」と…

怒りたい人々

とろサーモン久保田とスーパーマラドーナ武智による上沼恵美子への暴言が炎上している。M-1グランプリに於ける上沼の審査への不満がその原因である。 ともあれ俺は、いつからかM-1に興味がなくなってしまった。漫才と云うジャンル自体が洗練され尽くされた感…

月狂四郎『電子書籍の売り方がまったく分かりません』について

※何故か商品ページが貼れないのでURLを載せておきます。 https://www.amazon.co.jp/dp/B07JW1TJ96/ref=cm_sw_r_cp_apa_Hng.BbKEEGZG 俺自身、電子書籍の売り方がまったく判らないので読ませて頂いた。「『デビュー』の歴史的仮名遣いは『デビウ』ではなく『…

日本文学全集について

古事記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01) 作者: 池澤夏樹 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/11/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (16件) を見る 大きな災害が起こったあとはモダニズム文学が流行る。じっさい、日本でモダニズム詩が…

カスタマーレビューの意義

所謂文芸時評と云うものが絶えて久しい。否、文芸時評自体は、存在する。あることはあるのだ。だからこう言い換えよう。いつからか文芸誌は、自社から出版している小説への批判的な文章を掲載しなくなった。 これにはやはり、出版不況が大きく関係している。…

三世留男氏の批評に答う

小説家の三世留男さんが拙著『小説家の敵』を読んでくださり、あまつさえ批評文を書いてくださった。有難いことこの上ない。その文章は以下のURLから飛んで確認されたし。 https://amp.amebaownd.com/posts/5242805?__twitter_impression=true で、三世さん…

テクスト分析のルール

re:Action(初回生産限定盤) アーティスト: スキマスイッチ 出版社/メーカー: アリオラジャパン 発売日: 2017/02/15 メディア: CD この商品を含むブログ (3件) を見る 「テクスト内存在」と云う言葉がある。作中に「豚が空を飛んだ。」との記述があれば、なん…

悲しきワナビ

某文藝評論家の書いたものの中に「LGBTという概念について私は詳細を知らないし、馬鹿らしくて詳細など知るつもりもないが、性の平等化を盾にとったポストマルクス主義の変種に違いあるまい」と云う一節がある。これはおそらく、氏が敬愛する批評家・江…

「やれやれ、僕は○○した。」について

風の歌を聴け (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2004/09/15 メディア: 文庫 購入: 43人 クリック: 461回 この商品を含むブログ (466件) を見る 何かとネタにされる村上春樹であるが、とりわけ多く出回っているコピペは、「やれ…

バズりへの道

先ずはこれを見て欲しい。 「ナチスにイイところなんてない」と脊髄反射で見る人、「ナチスのようにヤバい奴も表面的にはそれなりの実利を引っさげて現れるわけで、だからこそ力を持ったり支持を集めてしまって恐ろしいのだ」という視点が決定的に欠けてるし…

形容詞について

スキマノハナタバ ?Love Song Selection? アーティスト: スキマスイッチ 出版社/メーカー: UNIVERSAL MUSIC LLC 発売日: 2018/09/18 メディア: MP3 ダウンロード この商品を含むブログを見る Twitterでも書いたが、スキマスイッチ『未来花』の話。歌詞中にあ…

大江健三郎作品の女達④

晩年様式集 (講談社文庫) 作者: 大江健三郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/11/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 晩年様式集 柚葉「『晩年様式集』ですか。これがなぁ、難しいんだよなぁ、はっきり言ってなぁ……」夏川「(笑)」柚葉「やっ…

大江健三郎作品の女達③

静かな生活 (講談社文芸文庫) 作者: 大江健三郎,伊丹十三 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1995/09/04 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 30回 この商品を含むブログ (24件) を見る 静かな生活柚葉「これはかなり奇妙な小説ですぞ(笑)」夏川「うーん」…

大江健三郎作品の女達②

死者の奢り・飼育 (新潮文庫) 作者: 大江健三郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1959/09/29 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 227回 この商品を含むブログ (109件) を見る 他人の足柚葉「これなどまさにさきほどぼくが引用した開高健の批評通りのパター…

大江健三郎作品の女達①

見るまえに跳べ (新潮文庫) 作者: 大江健三郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1974/05/28 メディア: 文庫 クリック: 32回 この商品を含むブログ (45件) を見る 奇妙な仕事柚葉「いきなり私事から入って恐縮ではありますが、実は、尿検査にひっかかりまして…

小林アヲイ『電話』について

グリーンボーイ・アッパータイム 作者: 小林アヲイ 出版社/メーカー: さくらノベルス 発売日: 2018/09/04 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 小林アヲイさんは天才である。こんなこと俺が言うまでもないが、俺が言わないと誰も言わないので、仕…

文体について

大学のアルバイト業務の一貫で他人の小説の添削を行っていると云うことは以前にも一度書いた。そのときは助詞の正確性について書いたが、今回は文体について書く。 基本的に、文体とは顕れるものである。語彙は後天的なものなので、それは無視するとして、文…

物語の秩序

東京死体ランド (隙間社電書) 作者: 伊藤なむあひ 出版社/メーカー: 隙間社 発売日: 2018/09/03 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 物語はテーマパークに似ている。入口があって出口がある。すべては「内」側だけで繰広げられるものであり、た…

むすびにかえて──「国家」と云う「宗教」⑪

とらわれるな。要するにこれだけなんです。俺が色々と喋ってきた結論と云うのは。 で、もう一寸宗教的な物言いをするなら、「執着するな」と云うことになります。しかるにこれは、あえて宗教的な物言いをしただけのことで、意味は一緒です。後者の方がよりし…